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作者コメント

星野美智子は、空想のなかの影・イメージの表現として生まれてくる画像を「沈黙の薔薇」と呼び、絵画はそれを映し出す「鏡」と思っている。 瞑想的な表情を持つモノクロ・リトグラフ版画によって製作を続けており代表作は、ボルヘス・シリーズの作品群。 「比喩としての鏡」「時間の鏡』「砂の本」「バベルの図書館」「円環の廃墟」「記憶する薔薇」等。

*ちなみにホルヘ・ルイス・ボルヘスは20世紀を代表するブエノスアイレス出身の詩人小説家。独自の価値観をもち、複雑に入り混じる現実的要素と想像的要素と象徴的要素とを融合させて語る短編小説は、繰り返し読まれることに耐え、読者に新たなイメージを展開させる力を持っている。

2008以降の作品「記憶する薔薇」シリーズは、まさに沈黙の花である絵画・薔薇である。

“多くの世代の薔薇が時の流れに消えていった
 せめて一輪でも忘却を免がれてほしい
 運命が私に授けたのは その沈黙の花
 薔薇よ、遠い過去を残して行くのだ
 人の眼には 見えない薔薇よ“

(ボルヘスの詩「薔薇とミルトン」鼓直訳より抜粋)